HOME > はるはなblog > 「食道がん」「がんゲノム医療」講座に参加しました
2019年5月22日[記事URL]
今回のテーマは
「食道がんと食道胃接合部がんの治療」
「がんゲノム医療」とは?
国による『がん対策推進基本計画』は 2006年に成立しました
順天堂医院は『がん診療連携拠点病院』の指定を受けている病院のひとつです
講演内容は
1.「食道がんと食道胃接合部がんの治療」
順天堂大学医学部上部消化管外科学講座
峯 真司 教授
食道は 長さ約25㎝で100円玉位の太さです
食道がんは「扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)」と「食道胃接合部腺がん」があります
日本人の「食道がん」の大部分(90~95%)は「扁平上皮癌」ですが この病気の原因は “飲酒” と “喫煙” です
毎日タバコを20本以上吸う&日本酒2合以上(アルコール量)を飲む人と飲まない人を比べると発症率は 30倍 も違うそうです (*_*;
お酒に含まれている “アセトアルデヒド” が大きく関与しているので お酒を飲むと顔が赤くなる人や二日酔いになりやすい人は決して無理に飲んではいけません
タバコの害については今さら言わなくてもわかりますね
どのような人が罹りやすいかがわかっているので “予防が可能” な「がん」です
もし病気になってしまった時は「抗がん剤」「化学放射線療法」「手術(内視鏡的治療や外科治療)」等を組み合わせた治療をします
「食道がん」は初期症状がないことが多いので リスクが高いと考えられる人は定期的に検診を受けることで早期診断早期治療が可能になります
また最近問題になってきたのは「食道胃接合部腺がん」です
日本では「食道がん」の5~10%程度ですが 欧米では急増していて50~70%
危険因子は肥満・ピロリ菌陽性・バレット食道(バレット食道とは食道の粘膜を構成する細胞の形状が変わってしまった状態)
逆流性食道炎も影響しています
日本もこれから増加すると考えられています
2.「がんゲノム医療」とは?
順天堂医院がん治療センターセンター長
加藤 俊介 教授
ゲノム医療とは「がん遺伝子パネル検査」で遺伝子変異の有無を明らかにして ひとりひとりの症状や体質に合わせて治療を行う医療のことです
「がん遺伝子パネル検査」とは がん組織を用いてがん細胞の多数の遺伝子を同時に調べる検査です
遺伝子の配列が変化して遺伝子異変になることにより「がん」が発生しますが 患者によって変異が生じる遺伝子が違うので 個々の異常に合わせて治療薬を選択します
個々の異常に合わせた治療薬のことを「分子標的治療薬」といいます
同じ診断の「がん」でも遺伝子変異は患者によって異なります
人間の体は 約2万個の遺伝子で構成されていますが そのうち「がん」に関わる遺伝子の数は数百個 …
それぞれの患者の遺伝子変異に合った薬剤を使用することが重要です
とても画期的な検査が日常診療で使えるようになると 個々の患者の体質に合った治療に役立てられるケースが出てくるそうです
保険診療で使えるようになるのですが その一方で費用面の問題や検査結果がわかっても保険診療上使用できない薬剤があるとのこと …
まだ有効な薬が開発されていない割合は63%も … 遺伝子変異を特定できても使える薬がないことがあると教えていただきました
期待できる「がん遺伝子パネル検査」ですが 多くの問題を抱えているのですね
すばらしい先生方から最新のお話を伺い学ばせていただきました
タバコ・飲酒・肥満は生活習慣ですから 各々が気をつければ取り組めます
健康維持に心がけながら過ごすことの大切さをしみじみと感じています
健康情報にアンテナを向けながら … 自ら心がけることの大切さを多くの方々にお伝えします (^^)v
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