HOME > はるはなblog > 膵臓(すいぞう)がんのナノナイフ治療
2017年11月16日[記事URL]
『さんのう健康講座』に参加しました
今回のテーマは …
「膵臓がんのナノナイフ治療」です
お話して下さる先生は 山王病院 がん局所療法センター長・国際医療福祉大学教授・東京医科大学名誉教授の 森安 史典(もりやす ふみのり)先生です
消化器内科(肝胆膵疾患全般)の腫瘍性疾患の診断と治療を専門とされていらっしゃいます
「膵臓がん」「胆のうがん」「胆管がん」は 他のがんより 発見しにくいことを知っている方も多いかと思います
診断された時には病気がかなり進んでしまっていることが多いので 治療の甲斐なく命をおとしてしまう確率が高い恐ろしい病気です
最近の全がんの術後の 5年生存率 は …
胃 … 73.0%
大腸 … 75.8%
肺 … 43.8%
このように高くなっていますが「膵臓がん」は 9.2%と低く厳しい状態です
聞きなれない「ナノナイフ治療」とはどのような治療法なのかを知りたくて参加させていただきました
「ナノナイフ治療」とは …
切除不能な局所進行膵がんに対し がんの周囲に2~6本の電極針を刺して3000ボルトの電流を流すことによって がん細胞にナノサイズの穴を開けて がんを死滅させる方法です
欧米ではすでにたくさんの実績がある治療ですが 日本では森安先生のもとで2015年から開始 されたそうです
お話を伺っていると 他には無い画期的な治療方法です
一般に手術することができない「切除不能の局所進行膵臓がん」の治療に光を射すと言っても過言ではない夢のような可能性を持っている “生きるための治療” と感じられます
病気で心が折れてしまいそうになった時 … 体力がある患者さんがトライできる治療法なのですね ♡
山王病院では「肝臓がん」「膵臓がん」に「ナノナイフ治療」を行っているそうです
「ナノナイフ」の装置と原理は …
① 3,000ボルトの電流
② 2~6本の電極針
③ 300~1,500回の電流
④ 細胞に穴を開けて死滅させる
⑤ 臓器の構造は保たれる
手術方法は 全身麻酔をして 平均3本位の電極針を刺して3,000ボルトの高電圧で1万分の1秒の短時間のパレス電流を病状によって300~1,500回流して がんを壊死させます
血管を傷つけることなく死滅・縮小することができる治療法です
手術時間は 約2時間位かかりますが がんの部分のみにダメージをあたえるので正常な臓器の構造は保たれます(放射線治療は正常な細胞まで死滅させてしまいます)
開腹せず皮膚の上から超音波で観察しながら針を刺して行うため 出血や身体への負担が少ない低侵襲手術が可能です
入院期間は10日間(術後1週間位で退院できます)
現在 日本では2台の「ナノナイフ装置」が使われていますが 保険適用されていないので1回の治療費は手術と入院を含めて 自費診療で260~270万円位かかります
しかし朗報も … 来年には「肝臓がん」の治療が保険適用になる予定と伺いました
現在保険適用手術として認められている標準的な治療法は「肝臓がん」のラジオ派焼灼(しょうしゃく)療法(RFA)があります
超音波で観察しながら太さ1,5ミリほどの電極針をがんの中心に挿入しラジオ派という電流を通電させ 針の周囲に熱を通電させ 針の周囲に熱を発生させてがんを死滅させる方法です
参加されている方々は病気を抱えている方が多数いらっしゃいました
森安先生のお話される姿は 患者さんを助ける使命感とあたたかさが伝わってきます
きっと お人柄に勇気づけられて 一生懸命に治療に立ち向かうポジティブな患者さんがいらっしゃいますね
たとえ体が病気になってしまっても ずっと心の健康をわすれずにいることが大切です!
日々進歩していく治療 …
参加できて良かった … これからも学べるチャンスに参加させていただきたいと思います
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